《児童生徒の生命及び安全にかかわる適切な対応について》
終日、大阪府内において、夏休みの後半、中学生2人が殺害されるという痛ましい事件が発生しました。その原因や背景など詳しいことについては、現時点では明らかになっていないが、本事故の重大性を踏まえると、本堂すべての教育関係者や保護者、地域社会が連携・協力して、このようなことが二度と起きないように努める必要があると考えています。そこで児童生徒の安全確保について、数点伺います。
質問① 「深夜徘徊の状況と警察との連携について」
深夜徘徊で補導された児童生徒が4,651人いるということですが、こうした児童生徒の情報共有を含め、各学校において、地元の警察と連携した対応が必要と考えますが見解を伺います。
返答① 学校と警察が児童生徒の健全育成を図るために、それぞれの機能を発揮して、非行等の防止を図ることは極めて重要であり、道教委では、各同率学校とその管轄する警察署との連絡が円滑に行われるよう「子どもの健全育成サポートシステム」の協定を結び、平成16年から運用している。本サポートシステムでは児童生徒が逮捕された事案のほか、家出や深夜徘徊等を繰り返すなど、継続的に対応が必要と認められる事案について、警察から学校へ連絡されることとなっています。また、現在道内すべての市町村教育委員会が警察署と子どもの健全育成にかかわる協定を締結しており、道教委としては、今後も引き続き各市町村教育委員会や学校に対して、児童生徒の安全確保のため、警察との一層の連携が図られるよう、働きかけていきます。
質問② 「夏季休業に向けた指導について」
今回の事件は夏休み中に発生したものであるが、夏休みの生活について、道内の各学校においては、児童生徒に対してどのような指導をしているのか伺います。
返答③ 夏休みなどの長期休業は、児童生徒が、自主的、自律的に生きる力を身につけるための良い機会であり、豊かな人間性を培う上でも有意義なものです。一方、学校生活から長期間離れることにより、児童生徒の気持ちが緩み、生活が不規則になりやすいことから、各学校においては、夏季休業中に問題行動を起こしたり、不慮の事故にあったりすることがないよう、全校集会や学級活動での児童生徒の指導のほか、学校便りや学級通信等による保護者への協力の依頼などを行っています。また、「夏季休業に向けての児童生徒の指導等について」の通知を発出し、各市町村教育委員会や学校に対して、家庭や地域の関係機関・団体等との緊密な連携の下に、規律ある生活に向けた指導や不良行為、暴力行為等の未然防止など事故防止について万全を期すよう指導しています。
質問④ 「各学校の指導について」
今回の事件を受けて、道教委としてはなんらかの手立てを打ったのか。もし、何もしていないのであれば、早急に手立てを打つ必要があると考えますが伺います。
返答④ 道教委はこれまでも、児童生徒の安全確保に向け、各市町村教育委員会や学校に対し、通知を発生するなどして指導してきたところですが、この度の事件の重大性に鑑み改めて、事件の課題を踏まえた具体的な指導のポイントなどを示した児童生徒の安全確保にかかわる通知を発出し、指導していきます。
質問⑤ 「児童生徒への指導について」
先日、夏休み明けには児童生徒の自殺が多くなるという報道がありました。また、休みの開放感から抜けきれず、飛行に及ぶケースが多くなるという話もあります。これらのことから、道教委としてはどのような対応を行っているのか伺います。
返答⑤ 内閣府の平成26年度の自殺対策白書では、18歳以下の自殺は、8月下旬から9月上旬等の学校の長期休業明けにかけて急増する傾向にあると指摘しています。道教委では、学期始めの時期は、児童生徒の心身の状況や行動に変化が現れやすいことから、各市町村教育委員会や学校に対し、8月上旬にいじめ防止の対策強化や児童生徒の自殺予防について、組織的に対応できる校内体制を整えるとともに、児童生徒への見守りを強化するなどして重点的に対応する通知しました。
質問⑥「今後の取り組みについて」
このような痛ましい事故が起きないようにするためには、家庭におけるルールづくりや、学校、家庭、地域、関係機関のほか、タクシー会社や運送会社など地域に密着した企業等の協力を得て、児童生徒の安全確保に努めることが大切だと考えますが、道教委としてはどのように取り組むか伺います。
返答⑥ 児童生徒の健全育成のためには、学校、家庭、地域、関係機関等が連携した実効性のある取り組みを推進することが大切です。また、家庭においては、学校や市町村教育委員会が地域の青少年健全育成団体等と連携して作成する「生活のきまり」等を踏まえ、各家庭での外出時間のルールや目安を決め、それらをしっかり守るよう児童生徒と話し合うことが極めて重要と考えます。そのため、道教委としてはこれまでの取り組みに加え、北海道PTA連合会等に対して、家庭のルールづくりについての協力を依頼するなどして働きかけていくとともに、道や道警察と連携し、委員からご指摘いただいたタクシー会社や運送会社など青少年の健全育成に協力頂ける企業・団体に対して、本庁はもとより各教育局が連携して、見守りや情報提供等の協力を要請するなどして、児童生徒の一層の安全確保に努めます。